カケル「先生、図形の合同条件のASAって、なんかちょっと引っかかります。SASとかSSSは、なんとなくわかるんですけど、ASAって、角度が間に入ってるのが、どうして合同になるのか、イメージしにくいんです…」
テイス「カケルさん、鋭い指摘ですね。ASA(1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい)が、なぜ合同の条件になるのか、疑問に思うのは非常に良いことです。まずは、カケルさんの今の理解度を確認させてください。例えば、もしASAの条件を満たす2つの三角形があったとして、その2つの三角形が合同であることを証明するためには、具体的にどのような手順を踏むと思いますか?」
カケル「えーっと、合同を証明するには、対応する辺とか角が全部等しいって言えばいいんですよね?でも、ASAだと、辺と両端の角しかわかってないから、他の辺とか角も等しいって言わないといけないですよね。でも、それがどうして言えるのかがわからないんです…」
テイス「なるほど。カケルさんは、合同の定義は理解していますが、ASAの条件から、なぜ残りの辺や角が等しくなるのか、その繋がりがまだ見えていない、ということですね。では、少し視点を変えてみましょう。まず、ASAの条件が揃った2つの三角形を、それぞれ紙に書いてみてください。そして、片方の三角形を、もう片方の三角形に重ねることを想像してみてください。このとき、両端の角が等しいという条件が、どのように作用するのかを意識しながら、考えてみましょう。」
カケル「えーっと、紙に書いて、重ねる…そうか、両端の角が等しいってことは、その角の大きさと開き方が一緒だから、重ねたときに、ピッタリ重なるってことですか?でも、辺の長さが同じじゃないと、ちゃんと重ならないですよね?」
テイス「素晴らしい! カケルさんの仰る通り、両端の角が等しいということは、重ねたときに角度はぴったりと重なる、という重要なポイントです。しかし、まだ辺の長さが同じでないとピッタリ重ならない、という部分に疑問が残りますね。では、もう少し詳しく考えてみましょう。片方の三角形の辺を、もう片方の三角形の対応する辺に重ねてみてください。このとき、両端の角が等しいという条件は、重ねた辺の端点が、もう片方の三角形の辺上に必ず乗る、ということを意味します。どうでしょう、何か気がつくことはありませんか?」
カケル「え…? あ、本当だ! 両端の角が同じなら、重ねた辺の両端は、もう片方の三角形の辺の上に乗るから、その点と点を結ぶ辺も、絶対に重なる…ってことですか! つまり、ASAが成り立てば、3つの辺が全部重なるから、完全に合同になるんですね!」
テイス「その通りです! カケルさん、見事な洞察力ですね。ASAの条件が満たされる時、2つの三角形は完全に一致する、つまり合同であると言えます。これは、合同の定義である「対応する辺と角がそれぞれ等しい」を、ASAの条件から導き出すことができる、ということなんです。では、さらに理解を深めるために、少し発展的な問題を考えてみましょう。もし、ASAの条件のうち、角度が2つとも等しく、辺の長さが違う場合はどうなるでしょうか?」
カケル「うーん、それは、形は似てるけど、大きさが違うから、合同じゃないですよね? ああ、相似ってやつですか?」
テイス「はい、カケルさんの言う通りです。2つの角がそれぞれ等しいだけでは、合同とは言えません。形は似ていても、大きさが異なるため、相似な図形となります。この違いを理解することは、図形の学習において非常に重要です。では、この知識を使って、少し複雑な問題に挑戦してみましょう。次の図形の中で、合同な三角形を見つけ、それがなぜ合同であるかを説明してみてください。…さあ、やってみましょう!」
カケル「わかりました!やってみます!…(問題を解く)」
---中略---
カケル「先生、今日の講義でASAの合同条件がなぜ成り立つのか、やっと理解できました!図形を重ねて考えるっていうのが、すごくわかりやすかったです。でも、これって、図形の問題を解くときに、いつも頭の中でイメージしなきゃいけないってことですか?」
テイス「カケルさん、素晴らしい理解ですね!確かに、図形の問題を解く際には、今回のように図形をイメージすることは非常に大切です。しかし、毎回毎回、図形を重ねて考える必要はありません。今回、ASAの合同条件が成り立つ理由を深く理解したことで、今後は、問題文中にASAの条件が揃っていることがわかれば、即座に合同であると判断できるようになります。そして、その際には、今日学んだ知識を土台として、自信を持って問題を解き進めてください。最後に、今日の講義内容をカケルさんの言葉でまとめてみましょうか?それが、今後の学習への大きな自信につながるはずです。」