カケル「先生、公共行政権って、なんだか難しそうな言葉ですけど、具体的にどんなことをする権利なんですか？それに、行政機能の拡大って、最近よく聞くけど、それっていいことなんですか？悪いことなんですか？」

テイス「カケルさん、良い質問ですね。まさに、公共行政権と行政機能の拡大は、現代社会を理解する上で非常に重要なキーワードです。まず、公共行政権とは、国や地方公共団体が、国民全体の利益のために、政策を実行する権利のことです。この時、重要なのは、”国民全体の利益のために”という点です。例えば、道路を整備したり、学校を建てたり、災害時に救助活動を行ったりするのも、公共行政権に基づいた活動です。カケルさんは、公共行政権という言葉を聞いて、どのようなイメージを持ちましたか？」

カケル「うーん、なんとなく、お役所の人たちが、いろいろなことを決めているイメージです。でも、それって、昔からずっとそうだったんですか？行政機能の拡大って、昔は今ほど色々やらなかったってことですか？」

テイス「鋭いですね、カケルさん。おっしゃる通り、行政機能は、歴史的に見ると、拡大してきたということができます。昔は、国は、治安維持や外交など、ごく限られた分野だけを担当していました。しかし、社会が複雑化し、人々のニーズが多様化するにつれて、行政の役割も増え、対象とする分野も拡大してきたのです。例えば、昔は、医療や福祉などは、主に民間のボランティアなどに頼っていましたが、現代では、国や地方公共団体が中心となって、提供するようになっています。ここで、カケルさんに質問です。なぜ、このように、行政機能が拡大してきたのだと思いますか？　カケルさんの考えを聞かせてください。」

カケル「うーん、なんだか、困っている人が増えたから、国が助けるようになった、って感じですかね？それに、社会が便利になるにつれて、国が関わらないといけないことも増えたのかもしれません。でも、国に頼りすぎると、なんだか、全部国が決めてしまって、自由がなくなっちゃうような気もします。」

テイス「なるほど、カケルさんの意見は、非常に重要な視点を含んでいます。確かに、社会が複雑化し、貧困や格差、環境問題など、様々な課題が深刻化する中で、行政が、その役割を拡大してきたというのは事実です。しかし、カケルさんが指摘するように、行政機能の拡大は、必ずしも良いことばかりではありません。　行政が、あまりに多くのことに介入すると、個人の自由や自主性が損なわれる可能性がありますし、行政の肥大化は、財政負担の増大にもつながります。つまり、行政機能の拡大は、メリットとデメリットの両面を抱えているということを理解する必要があるのです。そこで、カケルさんに質問です。行政機能が拡大することのメリットとデメリットについて、それぞれ具体例を挙げて考えてみましょう。」

カケル「メリットは、例えば、生活に困っている人が、国からお金をもらえたり、病気の時に病院に行きやすくなったりすることですかね。デメリットは、さっき言ったように、国の規制が増えて、自由にできなくなったり、税金がたくさん取られるようになったりすることですか？あと、国の借金が増えるとかですかね？」

テイス「カケルさんの理解は素晴らしいですね。まさに、その通りです。行政機能の拡大は、セーフティーネットの強化、教育や医療サービスの充実など、国民の生活を支えるという大きなメリットをもたらしますが、一方で、規制強化、財政赤字、官僚主義など、様々なデメリットも引き起こす可能性があります。ここで、重要なのは、行政機能の拡大を、無条件に肯定するのではなく、常に、メリットとデメリットを比較検討し、バランスを取ることです。そして、そのバランスをどのように取るかを決めるのは、私たち国民自身なのです。カケルさんは、このバランスをどのようにとるべきだと思いますか？カケルさんの考えを聞かせてください。」

カケル「うーん、難しいですね。でも、国に全部お任せにするのではなくて、ちゃんと、自分たちで考えたり、意見を言ったりすることが大切だと思います。選挙とかも、ちゃんと行かないといけないし、国が何をやっているか、ちゃんと知っておかないといけないと思います。」

テイス「素晴らしい！カケルさんの言葉には、民主主義社会における重要な視点が含まれています。つまり、行政権は国民から委託されたものであり、国民は行政に対して、常に監視の目を光らせ、批判的な視点を持つ必要があるということです。また、行政が提供するサービスを利用するだけでなく、自ら、社会問題の解決に参加することも、重要です。例えば、ボランティア活動やNPOの活動に参加したり、政策決定に関わるイベントに積極的に参加することも、行政機能を適正な範囲に保つ上で重要です。最後に、カケルさん、今日の講義を通して、公共行政権と行政機能の拡大について、どのように理解を深めることができましたか？カケル自身の言葉でまとめてみましょう。」

カケル「はい。公共行政権は、国民の利益のために国が政策を行う権利で、行政機能は社会の変化とともに拡大してきたことがわかりました。それには良い面も悪い面もあって、バランスが大事で、そのバランスを取るためには、国に任せきりにするのではなく、私たち国民自身が、ちゃんと考えて行動することが大切だと思いました。あと、なんか、ニュースとか、今まであんまりちゃんと聞いてなかったけど、これからは、もっとちゃんと聞こうと思いました。」

テイス「素晴らしいまとめですね！カケルさんの成長を間近で見ることができ、私も大変嬉しいです。カケルさんのように、常に疑問を持ち、深く考える姿勢は、社会をより良くしていくために、最も大切な資質です。これからも、知的好奇心を大切に、学びを深めてください。今日は本当によく頑張りましたね。」