カケル「先生、順列って、すごくややこしくないですか?並べ方を変えるだけで、なんであんなに数が大きくなるのか、いまいちピンとこないんです。特に、場合の数と組み合わせの違いも、ごちゃごちゃになってしまいます…」
テイス「カケルさん、良いところに気が付きましたね。順列の理解は、場合の数の基本であり、今後の学習にも非常に重要です。カケルさんが、特に順列の計算で混乱しているようですが、まずは、順列と組み合わせの違いから、一緒に整理してみましょう。いくつか質問をさせてください。例えば、3つの異なる色のボール(赤、青、黄)があったとして、そのうち2つを選んで1列に並べる場合、何通りの並べ方が考えられますか?そして、その並べ方を具体的に書き出してみて下さい。」
カケル「えっと…赤と青、赤と黄、青と赤、青と黄、黄と赤、黄と青で、6通りですかね?並べる順番が違うだけで、そんなに増えるなんて、不思議な感じがします。」
テイス「素晴らしいですね、正解です。6通り全てを正確に書き出すことができました。これが、順列の基本的な考え方です。では、ここで質問です。もし、この3つのボールから、単に2つを選ぶだけで、並び順は考えないとしたら、何通りになるでしょう?」
カケル「え?並び順を考えない?…ってことは、赤と青を選んだら、もう青と赤は考えなくていいってことですか?そうすると、赤と青、赤と黄、青と黄の3通りですかね?」
テイス「その通りです。カケルさん、順列と組み合わせの違いをしっかりと理解できていますね。順列は、このように、並べる順番を区別するのに対し、組み合わせは、並び順を区別しないという違いがあります。では、なぜ、並び順を考えるだけで、数が大きく増えるのでしょうか?順列の計算の仕組みから、さらに深く掘り下げて考えてみましょう。3つのボールから2つを選んで並べる場合、まず1つ目のボールの選び方は3通りあります。そのそれぞれに対して、2つ目のボールの選び方は2通りあります。この考え方をどのように数式で表せるでしょうか?」
カケル「えっと…3通り選んだ後に、さらに2通り選ぶんだから…掛け算ですか?3×2で6通り。さっき自分で書き出した数と一致しました!」
テイス「その通りです!まさに、それが順列の計算の基本です。このように、順列の計算では、それぞれの段階における選択肢の数を掛け合わせることで、全体の並べ方を求めることができます。では、次に、少し複雑な例を考えてみましょう。5つの異なる本を本棚に一列に並べる場合、何通りの並べ方があるでしょうか?そして、この並べ方を数式で表してみて下さい。」
カケル「えっと、5つの本を並べるってことは、最初の本は5通り、次は4通り、その次は3通り、また次は2通り、最後は1通りだから、5×4×3×2×1で…120通り!すごく多いですね。これを毎回計算するのは大変だ…」
テイス「素晴らしい!正解です。そして、よく気が付きましたね。実は、このように、1からある数まで順番に掛けていく計算には、特別な記号が使われます。それは、階乗と呼ばれるもので、5の階乗は5!と書きます。つまり、5! = 5 × 4 × 3 × 2 × 1 = 120 ということですね。この階乗という記号を使うと、順列の計算をよりスマートに表現することができます。では、少し応用問題を解いてみましょう。10人の中から3人を選んで1列に並べる場合の数は?式と答えを教えて下さい。」
カケル「10人の中から3人を選ぶ…ってことは、最初は10通り、次は9通り、最後は8通りだから、10×9×8で720通りですね。階乗みたいに記号で表すことはできないんですか?」
テイス「素晴らしい!正解です。実は、10個の中から3個選んで並べる順列は、_{10}P_3と表現できます。n個のものからr個選んで並べる順列は_nP_rと書き、_nP_r = n × (n-1) × (n-2) × ... × (n-r+1)という式で計算できます。これは、階乗を使って_nP_r = n! / (n-r)!と表現することもできます。より高度な計算や証明などをする際に便利になるので、覚えておくと良いでしょう。では、最後に、今日の講義で学んだことを、カケルさんの言葉でまとめてみてください。そして、今後の学習で、この知識をどのように活かしていきたいか、考えてみましょう。」
カケル「はい!今日は、順列は並べる順番を区別すること、そして、その数を計算するときは、それぞれの選び方を掛け合わせることを学びました。また、階乗という記号を使うと、順列の計算を簡単に表すことができることも分かりました。今後は、順列の考え方を応用して、より複雑な場合の数の問題にも挑戦していきたいです!…今日の授業で、すごく頭がスッキリしました!」
テイス「素晴らしいまとめですね!カケルさんが順列の本質を深く理解し、自信を持って今後の学習に進んでいく姿を想像すると、私も非常に嬉しく思います。これからも、その知的好奇心と探究心を大切に、学習を楽しんでくださいね。」